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海外コンサート体験記

第1回渡欧

人生初の海外旅行は大阪大学交響楽団のヨーロッパ演奏旅行であった。大学に入学した年の 夏休みに実施された。何もかもが初めての経験で、驚きと感動の連続であったことを思い出す。 特に、アムステルダム・コンセルトヘボウで演奏できたことは、一生の思い出である。

第1回大阪大学交響楽団ヨーロッパ演奏旅行参加(指揮:中田昌樹)
訪問先:オランダ、ドイツ

プログラム
スメタナ:「わが祖国」よりシャールカ
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(独奏:クイリン・フィアセン)
ブラームス:交響曲第4番

第2回渡欧

2回目の海外旅行は思いがけない形でやってきた。当時、大阪大学交響楽団の総務だった私は 第2回ヨーロッパ公演の視察をすることになったのだった。
視察という公務ではあったが、初めてウィーン国立歌劇場でオペラを観ることができた。

第2回大阪大学交響楽団ヨーロッパ演奏旅行の現地視察
1993年9月8日 ウィーン国立歌劇場「ワルキューレ」鑑賞

初めての海外オペラ鑑賞、しかもウィーン国立歌劇場ということで、 そのこと自体に舞い上がってしまい、残念ながら公演そのものはほとんど記憶にない。 う~ん、今から思えばもったいない話。今なら 「ワルキューレ」についてある程度は鑑賞する力が付いているが・・・
なお、ワルキューレ鑑賞の幕間に劇場内で、指揮者の堀俊輔氏とバッタリ再会 (堀氏には大阪大学交響楽団第59回定期演奏会で指揮していただいていた)。 公演終了後、近くの居酒屋でワインをご馳走していただいた。

第3回渡欧

前回のヨーロッパ公演は単に「ついて行っただけ」であったが、今回は、総務かつ パートリーダーという立場だったため、公演の中心的な役割を担っていた。
今回の公演はなんと言っても飯守泰次郎氏の指揮で行うことができたことが最大の成功の要因であった。 飯守氏お得意のワーグナーがなかったのは残念というか、申し訳ないというか・・・

第2回大阪大学交響楽団ヨーロッパ演奏旅行参加(指揮:飯守泰次郎)
訪問先:オランダ、オーストリア

演奏会
1994年3月16日 Wien:Musikverein GrosserSaal
1994年3月23日 Rotterdam:De Doelen
1994年3月24日 Apeldoorn:Mariakerk
1994年3月26日 Enschede:Muziekcentrum

プログラム
シベリウス:カレリア序曲
グリーグ:ピアノ協奏曲(独奏:マルティン・ファン・デン・フック)
チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」

第4回渡欧

大学を卒業し、社会人1年目の夏に思い切って単独でヨーロッパに向かう。 目的はザルツブルク音楽祭。ダメもとでチケットを申し込んだところ3日連続で3公演のチケットが 取れた。座席はいずれも最高級で「ボリス」は最前列。指揮者ゲルギエフが 手の届くような場所にいたことを覚えている。

ザルツブルク音楽祭鑑賞
1997年8月19日 ザルツブルク祝祭大劇場「ヴォツェック」(アバド)
1997年8月20日 ザルツブルクフェルゼンライトシューレ「魔笛」(ドボナーニ)
1997年8月21日 ザルツブルク祝祭大劇場「ボリス・ゴドゥノフ」(ゲルギエフ)

公演終了後、ザルツブルク祝祭劇場周辺のレストランで食事をした。すると目の前に座った紳士が 話しかけてきた。その紳士はかなり昔からザルツブルク音楽祭を聴いてきたようで、 カラヤンの「ばらの騎士」や「ドン・ジョヴァンニ」を聴いたと言っていた。いろいろ オペラの話で盛り上がり、「こんなオペラ好きな人は初めてだ。私はたくさんのオペラの ビデオテープをもっているから君に差し上げよう。住所を教えてくれ」と言ってきたので、 「お~、ラッキ~」と思い住所を教えた。
でも、未だに送られてくる気配は感じられない。酔っ払いの戯言だったのかな?

第5回渡欧

大学院を卒業した年の3月に思い切って5回目の渡欧。 今回は「オペラとコンサートを聴くこと」だけを目標にストイックな旅行であった。 パリの「オテロ」以外のチケットはすべて現地調達。安い立見席を狙った。 基本的に「観光→演奏会→夜行列車で次の都市に移動」という流れの気ままな一人旅であった。

2005年3月 4日 ベルリン国立歌劇場「椿姫」
2005年3月 5日 パリオペラ座バスティーユ「オテロ」
2005年3月 9日 チューリヒ歌劇場「ローエングリン」
2005年3月11日 インスブルック歌劇場「ムツェンスク郡のマクベス夫人」(ドイツ語上演)
2005年3月12日 バイエルン国立歌劇場「魔弾の射手」
2005年3月13日 バイエルン国立歌劇場「コジ・ファン・トゥッテ」
2005年3月14日 ウィーン楽友協会大ホール グスタフマーラー・ユーゲント・オーケストラ
2005年3月15日 ウィーンフォルクスオーパ「カルメン」(ドイツ語上演)
2005年3月16日 グラーツ歌劇場「ばらの騎士」
2005年3月17日 ウィーン国立歌劇場「ピーター・グライムズ」
2005年3月18日 ウィーン楽友協会大ホール ウィーンフィル「マタイ受難曲」

今回の公演でもっとも印象に残ったのは「ピーターグライムズ」である。指揮はシモーネ・ヤング。 聴くのも観るのも初めてだったが強烈な印象を受けた。特に合唱。

2005年3月13日の「コジ」。相変わらず天井桟敷の立ち見席。隣に初老の男性がいて少し話をした。 私は「コジ」を聴くのが初めてだったので、その男性に何回ぐらい聴いたことがあるのか 尋ねてみたところ「数十回は聴いた」と。では、オペラ自体は何回くらい聴いたのか尋ねると 「数千回は聴いた」と言った。さすが地元民は違う!
幕間の休憩時間にその老人が「オペラハウス内を案内してやろう」と言い出したので、ひょこひょこと ついて行った。館内に、バイエルン国立歌劇場で活躍した指揮者の胸像があった。 もちろんハンス・クナッパーツブッシュの胸像も。老人は「生で聴いたことがある」と言い、 最後に一言「彼はキング・オブ・バーバリアンだ」と叫んだ。 この『キング・オブ・バーバリアン』という言葉がとても心に響いた。

2005年3月18日、ウィーンでマタイを聴いたとき(ハーディング指揮のウィーンフィル) 隣に座った老婦人が演奏会前に丁寧にテキストを読んでいた。 私が日本から来た観光客でマタイを聴くのは今回が初めてだ、と告げると、逆に「あなたはキリスト教について どう思うか?カトリックかプロテスタントか?」と聞かれた。私が「日本人なんで宗教はちょっと・・・」 と言葉を濁すと「宗教やキリスト教に興味のない人がなぜバッハを聴くのか?マタイを聴く意味があるのか?」 と窘められたことを思い出す。音楽、特にバッハの音楽はヨーロッパの人にとって特別なものであることを 実感した瞬間だった。

第6回渡欧

平成から令和へと移行する超大型連休に6回目の渡欧。 前回と同様、気ままな一人旅で「オペラを聴くこと」だけを目標にストイックな旅行であった。
ショックだったのは、5月3日のパリオペラ座バスティーユでの「魔笛」の立見席が完売だったこと。 ショックのあまり、その日はホテルで寝込んでしまった(前日までの疲れもあったと思うが)。

2019年4月28日 ウィーン着
2019年4月29日 ウィーン国立歌劇場「フィデリオ」
2019年4月30日 ドレスデン国立歌劇場「ばらの騎士」
2019年5月 1日 ベルリン・ドイツ・オペラ「さまよえるオランダ人」
2019年5月 2日 ベルギー王立モネ劇場「トリスタンとイゾルデ」
2019年5月 3日 パリ観光
2019年5月 4日 パリ観光

今回鑑賞した4公演で感動した順に並べるとすれば、 1.フィデリオ、2.ばらの騎士、3.さまよえるオランダ人、4.トリスタンとイゾルデ

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国内コンサート体験記

めっきりコンサートに行かなくなった。時間がなかなか無いのも事実だが、 実際のところは、高額のチケットを買ってまで聴きたいコンサートが無いというのが本音。
確かに、コンサートに行けば、生演奏ならではの感動的な瞬間もあるのだろう。 しかし、最近は、往年の名演のCDがBOXで大量に販売されているので、 コンサート1回分の値段でCDが数十枚~100枚近く買えるとなれば、どうしてもCDを買って じっくり聴いたほうがコストパフォーマンスに勝ってしまう気がするのだ。
もし、現代において「フルトヴェングラーを生で聴いた」 「マリアカラスの全盛期をスカラ座で観た」という人がいれば、歴史の生証人として、 羨望の眼差しを受けると思う。では、今から50年後、「アバドやラトルを生で聴いた」 「ポリー二を生で聴いた」と言ったときに羨望の眼差しを受けるであろうか (カラヤンとバーンスタインなら、かろうじて羨ましがられるかもしれない)。
「時代が違う」といえばそれまでだが、それだけではない気がしてならない。
最近聴いたコンサートを記す。私は、15年以上、生のコンサートを聴いてないようだ。

京都の秋 音楽祭98
NHK交響楽団演奏会「京都で聴くN響定期」
1998年9月12日(土)19時開演 京都コンサートホール
●出演
指揮:チョンミョンフン NHK交響楽団 マキシム・ヴェンゲーロフ(ヴァイオリン)
●曲目
メシアン/忘れられし捧げもの
シチェドリン/コンチェルト・カンタービレ ~マキシム・ヴェンゲーロフのために
チャイコフスキー/交響曲 第4番 ヘ短調 作品36
小澤征爾・新日本フィル特別演奏会
1998年10月21日(土)19時開演 大阪フェスティバルホール
●出演
指揮:小澤征爾 新日本フィルハーモニー交響楽団 ナタリー・シュトゥッツマン(MS)
●曲目
マーラー/亡き子をしのぶ歌
R.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」
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