音楽遍歴
クラシック音楽を意識して聴き始めたのは中学時代だったと思う。
両親が音楽好きだったこともあり(母親はピアノの先生)、家にはクラシックのレコードがたくさんあった。
思い出すだけでも、バーンスタインの「第九」と「悲愴」(もちろんニューヨークフィル)、
カラヤンの「運命&未完成」、ワルターの「田園」、
セルのブラ1、ベームのモーツァルト、バックハウスのベートーヴェン、
ゼルキンの「悲愴」「月光」「熱情」、
ルービンシュタインのショパン、クライバーンのチャイコフスキー・・・・。
これら往年の名演をむさぼるように聴いていた。
その中で、一番のお気に入りは、オイストラフのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲であった
(メンデルスゾーンとのカップリングでオーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団のもの)。
ヴァイオリンを弾く者なら誰しもチャイコフスキーの協奏曲に特別な思いがあると思う。
僕もその一人で「いつかは弾けるようになりたい」という無謀な憧れにも似た気持ちで毎日聴いていた。
それこそ、レコードの溝が潰れてしまうほど聴きまくった(父親のレコードを台無しにしてしまった)。
しかし、1音たりと弾けるようにはならなかった。
それから、徐々に他のレコードも欲しくなってくるのだが、中学、高校の小遣い程度ではなかなか
買うことができない(なお、世の中にCDが出始めたのは私が高校の頃で、1枚4000円近くしてメチャクチャ高価だった。
買えるわけがない)。それでも年に数回は,貯めたお小遣いを握りしめて、
大阪心斎橋のYAMAHAで自分の好きなレコードを買うことができた。
ベームのミサソレムニス、メニューインのパガニーニ、フルトヴェングラーのシューベルト、
メンゲルベルクのブラームスのレコードは自分で買った記憶がある。
なので新たな音楽の情報源はもっぱらNHKのFM放送であった。
当時はFM放送の番組表が掲載された雑誌が販売されており、どんな曲が放送されるのか楽しみで楽しみで、
発売日が待ち遠しかったのを覚えている。様々な放送をカセットテープに録音してはラジカセで聴いていた。
レコードを買うより、カセットテープを買うほうが安いのだ。
曲の長さに応じて使うテープ(46分、60分、80分、90分、120分)を組合わせて、いかに効率よく録音するかを
考えるのがとても楽しかった。もちろん、タイトルカードも手書きで書いた。
平日の夜や休日の放送は自由に聴くことができたが,
平日の朝や昼の放送は学校があるので聴くことが出来なかった。昼間の放送が聴けるのは、
定期考査期間中、午前中で学校が終わるときだけで、このときに聴きたい曲が放送されるときは,
テストが終わると一目散に帰宅して放送を聴いた。
このFM放送を通じて、私は多くの曲を初めて聴く(知る)ことになる。例えば、
バイロイト音楽祭を知ったのもFM放送であった。
ご存知の通り年末にその年のバイロイト音楽祭の公演がまとめて放送される。好奇心から聴いてみたものの
当時の自分にワーグナーの歌劇を理解するチカラがあるわけもなく、睡魔とともに時間が過ぎていった。
平成3年4月に大阪大学に入学し、交響楽団に入団。また新たな音楽経験をすることになる。
オーケストラでの演奏経験
大阪大学交響楽団
大阪大学交響楽団4年間の在籍中の定期演奏会を並べてみた。☆印の曲に出演している。
第57回定期演奏会 1991年7月5日(金) 吹田市文化会館メイシアター 指揮:山岡重信 |
☆スメタナ 「わが祖国」よりシャールカ ドヴォルザーク チェロ協奏曲(独奏:林俊昭) ブラームス 交響曲第4番 |
第58回定期演奏会 1992年1月25日(土) 尼崎総合文化センター アルカイックホール 指揮:中田昌樹 |
ブラームス 悲劇的序曲 ☆ビゼー 「アルルの女」第2組曲 ☆シベリウス 交響曲第1番 |
第59回定期演奏会 1992年7月3日(金) 尼崎総合文化センター アルカイックホール 指揮:堀俊輔 |
☆ワーグナー 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲 ☆リスト 交響詩「前奏曲」 ☆ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 |
第60回定期演奏会 1993年1月30日(土) ザ・シンフォニーホール 指揮:籾山和明 |
☆サンサーンス 交響詩「死の舞踏」 ☆ラヴェル 「古風なメヌエット」 ☆マーラー 交響曲第6番「悲劇的」 |
第61回定期演奏会 1993年7月17日(土) 尼崎総合文化センター アルカイックホール 指揮:河内良智 |
☆リスト 交響詩「タッソー」 ☆フォーレ 組曲「ペレアスとメリザンド」 ☆ブラームス 交響曲第3番 |
第62回定期演奏会 1994年1月23日(日) 神戸文化ホール 大ホール 指揮:現田茂夫 |
☆シベリウス カレリア序曲 ☆グリーグ ピアノ協奏曲(独奏:ハン・カヤ) ☆チャイコフスキー 交響曲第1番 |
第63回定期演奏会 1994年7月9日(土) 尼崎総合文化センター アルカイックホール 指揮:小松一彦 |
☆ワーグナー 楽劇「タンホイザー」序曲 ☆グリーグ 組曲「ペールギュント」第1組曲 シベリウス 交響曲第2番 |
第64回定期演奏会 1995年1月18日(水) 尼崎総合文化センター アルカイックホール 指揮:金洪才 |
☆ブラームス 大学祝典序曲 ☆ビゼー 小組曲「こどもの遊び」 ブラームス 交響曲第1番 |
さて、第64回定期演奏会の日程を見て、お気づきの方も多いだろう。
そう、阪神淡路大震災の正に翌日の尼崎での演奏会である。
当然ながら、この日の演奏会は中止になった。
演奏会を中止すべきか、延期すべきか、団内でも議論になった。
被災した団員もいたからだ。
結局、3月に池田市文化会館で実施することになった。
依頼演奏として、次のコンサートも実施した。
松山高等学校創立75周年記念コンサート 1992年11月23日(月) 大阪国際交流センター大ホール 指揮:物部一郎 |
☆物部一郎 松高寮歌による交響組曲「松高賛歌」(世界初演) |
エキストラで出演したオーケストラ
他にも、オーケストラにも何回かエキストラ出演している。
グリーンユースオーケストラ 1994年4月24日 京都会館第一ホール 指揮:小松 一彦 |
☆藤家 溪子 翡翠の海のパノラマ(日本初演) ☆ブルックナー 交響曲第8番ハ短調 |
京都薬科大学 第22回定期演奏会 1994年12月13日 長岡京記念文化会館 指揮: |
☆オッフェンバック 喜歌劇「天国と地獄」序曲 ☆チャイコフスキー 組曲「白鳥の湖」 ☆シューベルト 交響曲第9番ハ長調「ザ・グレート」 |
グリーンユースオーケストラ 1995年4月23日 京都会館第一ホール 指揮:山下 一史 合唱:グリーン・ユース合唱団 |
☆藤井 喬梓 星めぐりの歌~オーケストラ、混声合唱、プリペイドピアノのための~(委嘱世界初演) ☆ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調「合唱付」 この演奏会の模様はNHK-FMで全国放送された. |
関西医科学生交響楽団 第3回演奏会 1996日3月20日 八尾プリズムホール 指揮: |
☆ロッシーニ 歌劇『セビリアの理髪師』序曲 ☆ブラームス ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲(Vl. 三田 浩平 Vc. 島津 弘) ☆マーラー 交響曲 第1番 ニ長調『巨人』" |
グリーン交響楽団 第8回定期演奏会 1996年11月2日 ザ・シンフォニーホール 指揮:堀俊輔 |
☆ロッシーニ 歌劇「どろぼうかささぎ」序曲 ☆チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲(独奏:小栗まち絵) ☆ショスタコーヴィチ 交響曲第5番ニ短調 |
豊中市民管弦楽団 第2回伊勢志摩第9演奏会 1996年12月23日 阿児アリーナ<ベイホール> 指揮:谷野里香 合唱:伊勢志摩第9を歌う会 |
☆ワーグナー 歌劇「タンホイザー」より ☆ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」 |
関西医科学生交響楽団 第4回演奏会 1997年3月9日 指揮: |
☆プロコフィエフ 交響曲第1番 ニ長調「古典」 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調「皇帝」(Pf.曽根恭子) ☆ショスタコーヴィチ 交響曲第12番 ニ短調「1917年」 |
帝塚山学園弦楽部・吹奏楽部での演奏
現在は、帝塚山学園吹奏楽部の顧問をしているが、吹奏楽部の定期演奏会で
同校の弦楽部と合同でオーケストラ曲をプログラムに入れている。
当然、ヴァイオリンパートとして賛助出演する。しかし,オーケストラで演奏するのが
実に20年ぶりになろうとは・・・・いやはや。
帝塚山学園吹奏楽部 第43回定期演奏会 2017年4月16日 奈良県文化会館 指揮:寺島 洋之 |
オッフェンバック 喜歌劇「天国と地獄」序曲 |
帝塚山学園吹奏楽部 第44回定期演奏会 2018年4月14日 奈良県文化会館 指揮:寺島 洋之 |
ショスタコーヴィチ 交響曲第5番より第4楽章 |
帝塚山学園吹奏楽部 第45回定期演奏会 2019年4月21日 橿原市文化会館 指揮:寺島 洋之 |
チャイコフスキー 序曲「1812年」 |
奈良交響楽団での活動
2023年2月に奈良交響楽団に入団する。正式なオケ活動をするのは大阪大学交響楽団以来のことなので、
実に30年ぶりのオケ活動再開である。「ヴァイオリンとヴィオラのどちらも弾けます」と伝えると、
「ぜひともヴィオラで」と言われ、ヴィオラパートに入団することにした。
確かに、現状の人数バランスを考えると当然のことであるし、
私としては「ヴァイオリンならば2nd限定で」と思っていたので(2nd一筋30年!笑)、
1stと2ndが流動的なシステムらしいから、ヴィオラの方が良かったと思う。
なお、入団にあたりオーディションがあった。「エロイカ」は大学時代に最もよく練習した曲目なのだが
(当然ながら2ndヴァイオリン。今でも2ndパートは暗譜で弾ける)、
今回はビオラパートでの入団になるので少し緊張した。
奈良交響楽団には不思議なご縁があって、25年前の1998年に私が十津川高校で勤務していたときに、
十津川村演奏旅行にきた奈良交響楽団と共演しているのだ。指揮は中田昌樹氏。中田氏は
大阪大学交響楽団の定期演奏会でも指揮していただいており、一緒にヨーロッパ演奏旅行にも行っている
非常に縁のある指揮者である。
奈良交響楽団 十津川村演奏旅行 1998年3月15日(日) 十津川村体育文化センター 指揮:中田 昌樹 |
十津川村の村報で紹介されました。 →PDFはコチラ →PDFはコチラ |
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奈良交響楽団 第74回定期演奏会 2023年5月14日(日) DMG MORI やまと郡山城ホール 指揮:髙谷 光信 |
ブラームス 大学祝典序曲 ドヴォルザーク 交響詩「英雄の歌」 ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ブラームス ハンガリー舞曲第6番(アンコール) 記念すべき定期演奏会デビュー。 とにかく「エロイカ」が楽しい。2ndを弾いていた経験が 大きいのかもしれないが、「エロイカ」の弦楽器の中で一番 オイシイのはビオラじゃないか、と思った。時にヴァイオリン、 時にチェロと融合し、縦横無尽に動き回るビオラ。もちろん、 ビオラのメロディーも多い。「エロイカ」でビオラの楽しさに 開眼したかもしれない。定期演奏会デビューが「エロイカ」で 本当に良かった。 反面、「英雄の歌」は謎。2度と演奏することはないだろう。 |
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奈良交響楽団 第75回定期演奏会 2023年12月24日(日) DMG MORI やまと郡山城ホール 指揮:森 香織 |
ニコライ 歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲 ブラームス ハイドンの主題による変奏曲 シューベルト 交響曲第8番「ザ・グレート」 |
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奈良交響楽団 第76回定期演奏会 2024年6月2日(日) 東大阪市文化創造館 指揮:髙谷 光信 |
ワーグナー 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲 グリエール ホルン協奏曲 ラフマニノフ 交響曲第3番 |
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